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この作品は完成までに約4年間かかりました。脚本を書き始めたのが19歳の終わり頃で、僕はほとんどアパートにひきこもり状態でした。
どこにも自分の居場所を見出せず、何をすべきかわからない日々の中で精神的に追い詰められて行きました。
僕は窒息しそうな生活から抜け出したいと思っていて、この作品の物語はそのような精神状況の中で書かれました。

この作品では登場人物たちは日常をひどく退屈で価値のないものと考え、自分から非日常的な世界に飛び込もうとします。
今にして思えば、これは当時の僕の願望そのものだったんだと感じます。
僕が望んでいたのは『突破』なんだと、自分自身が次の段階に歩みだしたかったんだと思います。
そしてあの時、僕が映画という表現方法でそれを行おうと思ったのは『誰かとつながりたい、それによって自分自身の殻を突破したい』という強い欲求があったからだと思います。

僕はひたすら自分の奥底にもぐることで『突破』しようとしました。上ではなく下に向かって突き抜けようとしたのだと思います。
自分の中にあるグチャグチャとしたすべての感情を吐き出すための物語でした。

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制作を始めて、映画というのは現実の壁との戦いだと気づきました。協力者を集めることの大変さ。予算、時間、技術の不足。コミュニケーションの難しさ。完成の見通しが立たなくなり、僕は逃げ出しそうになりました。
しかし仲間たちが僕を信じてくれたおかげで、僕はやり続ける意志を持てました。長期間の撮影の中で僕ら技術的にもレベルアップし、そして本当に大変なトラブルを色々と乗り越えてきました。

人生に対してネガティブな感情を爆発させ、自暴自棄に破壊の魅力に堕ちて行く物語は、希望を探ろうともがき苦しむ若者たちの物語に変化しました。
それは制作に関わったスタッフ・キャストが彼らの実生活の中でそういう心理状況に置かれていたこともあり、ネガティブな感情を出す際の役者の瞳の奥には『希望を見いだしたい』という渇望がありました。

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僕の目的は『とにかく、僕の胸の中にある衝動的な何かを見たい。すべて吐き出したい。』というものでした。
具体的に何を表現したい、社会に対してこんなメッセージを。ということよりも作るという情熱が先行していました。

作品が完成した今、僕はこの作品の中に無自覚だった自分の内面を読み取ることができて、おもしろさが尽きません。
しかし観客にとっては僕の内面などどうでもいいことです、その人が見て、作品に価値が見いだせるのかどうかが全てなのです。

そういう点でこの作品は、全ての人には受け入れられることはないでしょう。
この映画は人物の行動を描いていますが、行動の理由はほとんど描かれていないのです。
『理由』については、観客個人の内面に登場人物と同じものがないと感じることができないと思います。

願わくば出来る限り多くの人に作品を見てもらいたいです。
登場人物の感じる感情や時代の空気を共有できる観客に一人でも多く出会うために。

そして制作に協力してくれたみんなの未来ために。

中島良